温泉旅行の醍醐味は湯だけではない。その土地でしか食べられない料理と温泉が合わさった時、旅の満足度は格段に跳ね上がる。温泉と食が一流の温泉地を厳選した。
由布院温泉(大分県)— 地産地消を極めた旅館料理
由布院の旅館は「地産地消」へのこだわりが強い。地元農家・漁師・牧場と直接契約し、大分県産の豊後牛・地鶏・関サバ・かぼすを使った会席料理が楽しめる宿が多い。特に「蛍」「山荘無量塔」などは食へのこだわりで知られ、料理目的で訪れる客も少なくない。温泉街の湯の坪街道には地元食材を使ったカフェ・レストランも充実している。
城崎温泉(兵庫県)— 冬の松葉蟹と温泉の夢の組み合わせ
城崎は冬の「松葉蟹(ズワイガニ)」の一大名産地だ。11月〜3月の解禁シーズンには、温泉街の旅館が松葉蟹づくしのコース料理を提供する。茹で蟹・焼き蟹・蟹鍋・蟹刺しなど多様な調理法で提供される蟹料理のフルコースは、温泉旅行と組み合わせた冬の最高の体験のひとつ。シーズン外でも香住の甲蟹(ベニズワイ)が通年で楽しめる。
下呂温泉(岐阜県)— 飛騨牛と地酒、山の幸が揃う
下呂温泉の旅館料理は「飛騨牛」が主役だ。全国屈指のブランド牛として知られる飛騨牛をステーキ・すき焼き・しゃぶしゃぶで堪能できる。飛騨山系の清流が育てたアマゴ(川魚)の塩焼きや、地元の発酵食品「こうじ漬け」も名物。地酒「白川郷」「蓬莱」など岐阜の地酒との組み合わせも楽しみのひとつ。
山代温泉(石川県)— 加賀料理と海の幸が融合する北陸の名湯
加賀温泉郷のひとつ、山代温泉は北陸の食文化が凝縮された温泉地だ。冬は香箱蟹(メスのズワイガニ)と加賀棒茶のセットが旅館の定番。加賀藩の文化的背景を持つ「加賀料理」(治部煮・蕪蒸しなど)と温泉の組み合わせは、食通の間でも評価が高い。金沢から電車で30分というアクセスの良さも魅力。
登別温泉(北海道)— 北の食材のオールスターが揃う
北海道・登別温泉の旅館料理は、毛蟹・ウニ・ホタテ・イクラ・鮭など北海道が誇る海の幸のオンパレード。さらに地元の蝦夷鹿や羊ジンギスカンといった山の幸も加わり、食のバリエーションは全国の温泉地でもトップクラス。温泉の強烈な個性(9泉質)と食の豊かさが合わさり、旅の充実度が高い。
温泉旅の食を楽しむコツ
- 旬の時期を狙う:蟹(冬)・鮎(夏)・松茸(秋)など旬の食材がある時期を選ぶと料理の質が格段に上がる。
- 食事のグレードを確認する:同じ旅館でも「部屋食」か「食事処」、料理コースのランクによって体験が変わる。
- 夕食の開始時間は余裕を持って:温泉→食事→温泉の黄金ルーティンを楽しむなら夕食開始は18〜19時がおすすめ。食後の夜風呂も格別。
- 朝食も侮れない:老舗旅館の朝ごはんは質が高く、温泉後の朝食が最も美味しい食事になることも多い。
