「妊娠中は温泉NG」は平成26年に見直された
温泉を公共の浴用に使う施設は、温泉法第18条にもとづき、温泉の成分や禁忌症、入浴上の注意を掲示しています。この掲示の基準を、環境省は平成26年7月1日に新しくしました。最新の医学的な知見をふまえた見直しで、広島県の解説によると、浴用の一般的禁忌症から「妊娠中(とくに初期と末期)」が削除されています。
つまり、今の基準では「妊娠しているから温泉に入ってはいけない」とはされていません。ただし、施設の掲示を変えるには都道府県への届出が必要なため、古い掲示がそのまま残っていることがあります。
いまの「一般的禁忌症(浴用)」
禁忌症とは、1回の入浴でも体に悪い影響が出るおそれがある病気や状態のことです。平成26年の基準では、浴用の一般的禁忌症は次のとおりです。
- 病気の活動期(特に熱のあるとき)
- 活動性の結核
- 進行した悪性腫瘍や高度の貧血など、身体衰弱の著しい場合
- 少し動くと息苦しくなるような重い心臓または肺の病気
- むくみのあるような重い腎臓の病気
- 消化管出血、目に見える出血があるとき
- 慢性の病気の急性増悪期
このほか、酸性泉と硫黄泉には「皮膚や粘膜の過敏な人、高齢者の皮膚乾燥症」という泉質別の禁忌症があります。
妊娠中に温泉へ行くときに気をつけたいこと
禁忌症から外れたとはいえ、体調は日によって変わります。環境省の「入浴上の注意」には、だれにでも当てはまる基本が書かれています。
- 食事の直前・直後、飲酒後の入浴は避ける
- 入浴前後にコップ1杯程度の水分をとる(特に起床直後)
- 掛け湯をしてから入る:手足からお湯をかけて温度に慣らします。
- 熱いお湯に長く入らない:基準では、高齢者や高血圧・心臓病の人などは42℃以上の高温浴を避けるよう書かれています。入浴時間は初めは3〜10分程度が目安です。
- ゆっくり立ち上がる:浴槽から出るときは立ちくらみに注意します。
- ひとりで入らない:めまいや気分が悪くなったとき、近くの人に助けを求められるようにしましょう。
また、浴場の床や露天風呂への通路は滑りやすく、転ばないよう足元に気をつけることも大切です。つわりや張りがあるときなど、不安があれば無理をせず、かかりつけの医師に相談してください。
宿を選ぶときのヒント
- 貸切風呂や客室の風呂がある宿:自分のペースで入れて、混雑を気にせずにすみます。
- 移動が少ない温泉地:駅から近い温泉地なら、長時間の移動を避けられます。各温泉地のページで最寄り駅と行き方を確認できます。
入り方の基本は「温泉の正しい入り方|1日の入浴回数・時間の目安と湯あたりの対策」でもくわしく紹介しています。
